みなさん、こんにちは。
南仏在住のマダム野武士です。
前回は、建築家探しについてお話させて頂きました。無事に建築家の方とも契約でき、いよいよ家の図面作成かという頃、実は最初の問題が発生しました。
なんと、「2.住宅ローン審査の手続き - 南フランスで家を建てました」で先述していた、あの住宅ローンの審査が通らなかったのです!銀行員の方に95%通ると言われていたのですっかり安心していたのも束の間、まさに青天の霹靂でした。驚愕の事態に審査結果の説明を受けている最中は話を飲み込めなかったのですが、家に帰って主人と色々と話していると、もしかすると銀行員の方の書類不備や引き継ぎの不備が審査の通らなかった一因なのではという話が浮上してきました。
というのも、この住宅ローンの審査にたどり着くまでに最初に担当してくださった方が途中で違う地域に異動になり担当者が代わり、その際にまた1から全て書類を揃えて窓口に持参する必要がありました。前任者の方は頻繁にバカンス休暇を取る方で、オフィスを離れている期間が多く、しょっちゅう連絡が取れないことがあり、ローンの審査の進捗状況が見えづらい状況でした。(フランスではバカンス休暇でオフィスを空けることは日常茶飯事です。そして大抵の場合、業務を同僚に引き継がずに休暇に入るので、担当者が休暇に入ると全てがストップします。)
そして、バカンスから帰ってきたかと思えば、メールで異動になった連絡を受け、あっさりと担当者が代わり、また1から書類集めを求められ...引き継ぎがほぼ皆無のまま、前任者は去っていきました。もし前任者の時点でローンの審査が通っていれば利息率は1.4%程度だったのに、担当者が変わった時点で既に利息率は1.8%まで上がってしまっていました。この時点で利息率に0.4%の差が出ていたので既に損をしているのですが、これで審査が通れば一安心と思いながら審査結果を待っているとまさかの審査落ち。
非常に落胆しましたが、この時、ウクライナの戦争の影響で刻一刻と住宅ローンの利息率が上がっていたので、一刻も早く住宅ローンの融資を受けられる先を探さねばと、藁にも縋る思いでCourtierに相談に行きました。Courtierとはフランス語でいうと幅広い意味で「仲介人」なのですが、私達はCourtier en crédit immobilierという住宅ローンのスペシャリストを頼りました。彼らは融資側の銀行と借入側の私達を仲介してくれる方々で、複数の大手銀行とのパイプを持ち、借入側の経済状況や住宅プランを鑑みて一番ベストな状況で住宅ローンを組めるように斡旋してくださいます。
(参考:https://www.credixia.com/credit-immobilier/courtier-pret)
私達は早速目星をつけたCourtierの事務所に赴き相談に伺いました。La posteで住宅ローンの審査を受ける時に揃えた書類を一式持参すると、色々と書類が揃っていないということで追加で書類を集める必要がありました。たしか給与明細の書類をもう数か月分遡って提出したり、アパートの家賃支払いの書類を追加で提出した記憶があります。
それに加えて完全な書類不備を指摘されたのが、家を建てる際の各施工費の見積書でした。我々は大手住宅メーカーに工事を一括してお願いした訳ではなく、建築家の方にデザイン設計をお願いし、その建築家の方から紹介された地元の工務店や自分たちの知り合いの業者、またそれ以外に自分たちで見つけてきた業者の方と個別に契約を結ぶ必要がありました。(具体的にいうと、基礎工事・電気技師・配管工など各業者の方と1つ1つ契約を結ぶ必要がありました。)そのすべての見積書がローンの審査を受ける上で必要になるとのことで、10業者以上の方々に連絡し、早急に見積書を送ってもらう必要があったのですが、物価の値上がりが叫ばれていたインフレの時期だったので、資材の高騰により来年以降の施工費が読めないこと、それから個人事業主の方も多く、現在進行形の工事に精一杯で見積書の作成に時間がかかるなど、なかなかすぐに返答を頂けず、そうこうしているうちに住宅ローンの金利も上がり、毎日ハラハラさせられました。
Courtierいわく、La Posteでの審査が通らなかったのは、そもそも私たちの担当者の方が、銀行口座の管理・運用を得意とする人で、あくまでも不動産のスペシャリストではなかったため、そもそもローンの審査に必要な書類集めが十分でない、また返済シミュレーションも詰めが甘いなどの理由で通らなかったのではとおっしゃっていました。
これを聞いて、さらに一層La posteの担当者への不満が募ったのですが、時すでに遅し。一度審査に落ちたLa posteにはCoutierからアプローチすることができず、新たに住宅ローンの融資を受けられる銀行に銀行口座を開設する必要がありました。幸いにもCourtierのおかげで、なんとか融資を受けられる銀行が見つかったので先方の銀行、Courtier、そして我々の三者で顔合わせをし、銀行口座開設、住宅ローンの契約にたどり着くことができました。この時、利息率は2.4%。我々にとってはローンを組めるギリギリの利息率でした。La posteで問題なく審査が通っていれば1.4%だったのにと思うと、悔しくて仕方がないですが、Courtierのおかげで無事に住宅ローンの契約ができたことは、本当に感謝してもしきれないです。フランスでは数少ない、責任を持って仕事をしてくださる方に出会えたことは本当にラッキーだったと思っています。
これにて家を建てるまでの1つめの問題、なんとか解決。ということで今日はこの辺で失礼します。