南フランスで家を建てました

異国の地で家を建てるまでのあれやこれやを綴ります。

7.土地の売買契約(前半)

こんにちは。

お久しぶりです。南仏在住のマダム野武士です。

少し間が空いてしまいましたが、今回はいよいよ土地の売買契約について書いていきたいと思います。

 

前々回の記事で土地探しについて記載しました通り、希望の条件に合う土地に出会い、土地の購入の意思が固まったので、まず不動産業者の方に連絡して、土地購入の仮予約をしたい旨を伝えました。そこから不動産業者の方とまず媒介契約(mandat de recherche)を締結しました。

 

媒介契約仲介契約よりも耳慣れない言葉だと思いますが、ネットで検索してみると、下記のように記載されていました。

不動産取引においての媒介とは、売主や貸主などの「不動産を売りたい・貸したい人」と、買主や借主などの「不動産を買いたい・借りたい人」の間に入り、売買契約や賃貸借契約を成立させることを意味します。

媒介とは?仲介との違いや種類を分かりやすく解説|三井のリハウス)

 

一般的には契約の有効期間は3か月が多いようですが、私達は個人で経営されている不動産業者の方だったからか有効期間は1年でした。仲介手数料は成約価格によっても大きく違うようですがフランスでは2~5%が相場のようです。我々の場合は成約価格の5%が仲介手数料でした。

 

そして、媒介契約を結んだ約1か月後に再度不動産業者の自宅に赴き、予め作成してくださっていた購入申込書(Offre d'achat)に署名し、不動産業者を通して売主に提出しました。この購入申込書には購入希望価格や契約希望日、手付金の希望金額などが書いてあり、買主は書類の左下に、売主は書類の右下に署名するようになっています。

 

その後、売主側も購入申込書に合意し、署名をした書類が不動産業者に渡され、いよいよNotaire(公証人)の下で正式な売買契約が結ばれます。Notaireの説明等、少し長くなりそうなので、続きはまた次回に持ち越しさせて頂きます!

 

それでは、また次回に続きます。

 

 

 

公証人Notaire立ち合いの下、土地の売買契約(Promesse de vente d'un logement) 

6.新たに銀行口座の開設

こんにちは。

南仏在住のマダム野武士です。

 

前回の記事では、Banque Postale(日本でいうゆうちょ銀行)での担当者の唐突な変更、引き継ぎ不十分で書類を1から集め直す羽目になり、そして予期せぬ結果、住宅ローンの審査が通らず...という不甲斐ない結果を受けて銀行融資のスペシャリストCourtierに藁にもすがる思いで相談に行ったことをお話させて頂きました。

 

ここで一旦、話が逸れますが以前からCourtierとは日本でいうところのどういう職業にあたるのかということを疑問に思っていました。辞書を引いてみると「ブローカー・仲売人」という訳がでてきますが、正直なところ、そもそもブローカーや仲売人といった単語自体がピンときませんでした。そこで改めて、日本では住宅ローンを皆さんどのように選んでいらっしゃるのかということを調べてみると、1位は住宅・販売事業者、つまり家を買う時に始めに接触のある不動産業者だということが書かれていました。

 

住宅ローンは自分で選ぶべき?「不動産業者に任せきり」で3割以上の人が後悔する理由とは | はじめての住宅ローン

 

フランスでは私の知る限り、不動産業者が住宅ローンについてアドバイスをすることはないように思います。フランスは日本以上に分業制がはっきりしている国なので、不動産業者はあくまでも土地・住宅販売・賃貸のスペシャリストであるという認識が強いからでしょうか?

日本ではFP住宅ローンアドバイザーに相談する方は多数派ではないと書かれていましたが、フランスのCourtierはこのFPにあたるのではないかと思いました。なかでもCourtier en immobilierと呼ばれる方々が住宅ローンアドバイザーに該当するのだと思います。相談は無料ですが、無事に銀行との間で住宅ローンの契約が成立すれば、ローンの総額のおよそ1%の仲介手数料を支払うことになります。

 

さて、だいぶ話が脱線してしまいましたが、Courtierのおかげで無事に住宅ローンを組める銀行と出会うことができ、後日Courtierと共に銀行に赴き、銀行口座の開設をしました。銀行口座の開設に必要な書類は毎度のことながら、パスポート・滞在許可証・住居証明(賃貸契約書など)・雇用契約だったと思います。あとは、個人の口座に加えて夫と私の共有口座を開設するために、家族手帳(Livret de famille)も持参した覚えがあります。住宅ローンで借り入れたお金や建築業者の方々に支払うお金は全てこの共有口座で管理しています。私たちは夫婦別姓なのですが、この共有口座の名義だけは私も夫の名字になっています。

 

以上、本日は新たに銀行口座の開設をしたことについてつらつらと書かせて頂きました。

 

 

 

 

5. Courtierに相談

みなさん、こんにちは。

南仏在住のマダム野武士です。

 

前回は、建築家探しについてお話させて頂きました。無事に建築家の方とも契約でき、いよいよ家の図面作成かという頃、実は最初の問題が発生しました。

なんと、「2.住宅ローン審査の手続き - 南フランスで家を建てました」で先述していた、あの住宅ローンの審査が通らなかったのです!銀行員の方に95%通ると言われていたのですっかり安心していたのも束の間、まさに青天の霹靂でした。驚愕の事態に審査結果の説明を受けている最中は話を飲み込めなかったのですが、家に帰って主人と色々と話していると、もしかすると銀行員の方の書類不備や引き継ぎの不備が審査の通らなかった一因なのではという話が浮上してきました。

というのも、この住宅ローンの審査にたどり着くまでに最初に担当してくださった方が途中で違う地域に異動になり担当者が代わり、その際にまた1から全て書類を揃えて窓口に持参する必要がありました。前任者の方は頻繁にバカンス休暇を取る方で、オフィスを離れている期間が多く、しょっちゅう連絡が取れないことがあり、ローンの審査の進捗状況が見えづらい状況でした。(フランスではバカンス休暇でオフィスを空けることは日常茶飯事です。そして大抵の場合、業務を同僚に引き継がずに休暇に入るので、担当者が休暇に入ると全てがストップします。)

そして、バカンスから帰ってきたかと思えば、メールで異動になった連絡を受け、あっさりと担当者が代わり、また1から書類集めを求められ...引き継ぎがほぼ皆無のまま、前任者は去っていきました。もし前任者の時点でローンの審査が通っていれば利息率は1.4%程度だったのに、担当者が変わった時点で既に利息率は1.8%まで上がってしまっていました。この時点で利息率に0.4%の差が出ていたので既に損をしているのですが、これで審査が通れば一安心と思いながら審査結果を待っているとまさかの審査落ち。

 

非常に落胆しましたが、この時、ウクライナの戦争の影響で刻一刻と住宅ローンの利息率が上がっていたので、一刻も早く住宅ローンの融資を受けられる先を探さねばと、藁にも縋る思いでCourtierに相談に行きました。Courtierとはフランス語でいうと幅広い意味で「仲介人」なのですが、私達はCourtier en crédit immobilierという住宅ローンのスペシャリストを頼りました。彼らは融資側の銀行と借入側の私達を仲介してくれる方々で、複数の大手銀行とのパイプを持ち、借入側の経済状況や住宅プランを鑑みて一番ベストな状況で住宅ローンを組めるように斡旋してくださいます。

 

Courtierとは?

(参考:https://www.credixia.com/credit-immobilier/courtier-pret)

 

私達は早速目星をつけたCourtierの事務所に赴き相談に伺いました。La posteで住宅ローンの審査を受ける時に揃えた書類を一式持参すると、色々と書類が揃っていないということで追加で書類を集める必要がありました。たしか給与明細の書類をもう数か月分遡って提出したり、アパートの家賃支払いの書類を追加で提出した記憶があります。

それに加えて完全な書類不備を指摘されたのが、家を建てる際の各施工費の見積書でした。我々は大手住宅メーカーに工事を一括してお願いした訳ではなく、建築家の方にデザイン設計をお願いし、その建築家の方から紹介された地元の工務店や自分たちの知り合いの業者、またそれ以外に自分たちで見つけてきた業者の方と個別に契約を結ぶ必要がありました。(具体的にいうと、基礎工事・電気技師・配管工など各業者の方と1つ1つ契約を結ぶ必要がありました。)そのすべての見積書がローンの審査を受ける上で必要になるとのことで、10業者以上の方々に連絡し、早急に見積書を送ってもらう必要があったのですが、物価の値上がりが叫ばれていたインフレの時期だったので、資材の高騰により来年以降の施工費が読めないこと、それから個人事業主の方も多く、現在進行形の工事に精一杯で見積書の作成に時間がかかるなど、なかなかすぐに返答を頂けず、そうこうしているうちに住宅ローンの金利も上がり、毎日ハラハラさせられました。

 

Courtierいわく、La Posteでの審査が通らなかったのは、そもそも私たちの担当者の方が、銀行口座の管理・運用を得意とする人で、あくまでも不動産のスペシャリストではなかったため、そもそもローンの審査に必要な書類集めが十分でない、また返済シミュレーションも詰めが甘いなどの理由で通らなかったのではとおっしゃっていました。

これを聞いて、さらに一層La posteの担当者への不満が募ったのですが、時すでに遅し。一度審査に落ちたLa posteにはCoutierからアプローチすることができず、新たに住宅ローンの融資を受けられる銀行に銀行口座を開設する必要がありました。幸いにもCourtierのおかげで、なんとか融資を受けられる銀行が見つかったので先方の銀行、Courtier、そして我々の三者で顔合わせをし、銀行口座開設、住宅ローンの契約にたどり着くことができました。この時、利息率は2.4%。我々にとってはローンを組めるギリギリの利息率でした。La posteで問題なく審査が通っていれば1.4%だったのにと思うと、悔しくて仕方がないですが、Courtierのおかげで無事に住宅ローンの契約ができたことは、本当に感謝してもしきれないです。フランスでは数少ない、責任を持って仕事をしてくださる方に出会えたことは本当にラッキーだったと思っています。

 

これにて家を建てるまでの1つめの問題、なんとか解決。ということで今日はこの辺で失礼します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.建築家探し

こんにちは。

南仏在住のマダム野武士です。

 

前回の記事では土地探しについてお話させて頂きましたが、今回は建築家探しについてお話させて頂きます。

 

土地を本格的に探し始めて2か月ほど経ち、5件目の見学にして理想の土地を見つけることができました。前々回も少しお話しましたように私達が探していた土地は、ハウスメーカーを通さずに自由に建築できる「建築条件なしの土地un terrain libre d'architecte)」でしたので、住宅設計並びに施工期間の監督をしてくださる建築家の方を探す必要がありました。ちなみに私たちは4つに分譲された内の1区画を購入したのですが、他の分譲地を購入された方々とほぼ同時に工事が始まりました。そこで、どのように建築を進められたのか話を伺うと、

1.Aさんは住宅設計のみ建築家に依頼し、それ以後の施工はハウスメーカーに依頼2.Bさんは住宅設計から竣工まで全て大手ハウスメーカーに依頼

3.Cさんは大工さんなので住宅設計を知り合いに依頼、自分で施工

三者三様でした。

私達は住宅設計から竣工まで一貫してお一人の建築家の方にお任せすることにしました。それぞれの方法にメリット・デメリットがあるかと思いますが、我々の場合、和風の要素を取り入れた住宅にしたいというこだわりの点があったため、細かな要望を伝えることのできる方法を選択しました。また、大手ハウスメーカーに施工を依頼した場合、契約した段階で竣工日の期限が設けられ、その期日を過ぎてしまうとハウスメーカー側にペナルティがかかるようで、何としてでも竣工日に間に合うように場合によっては突貫工事になるという噂も聞いていたので、結論として個人設計事務所の建築家の方にお任せすることになりました。(お察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、つまり我々の契約には大まかなスケジュールはあるものの竣工期日がないので、引っ越して2か月経つ現在でも工事が終わっていないところがいくつもあります。今日も電気配線工の方が朝から来られて色々と修正してくださっています。)

 

ここまで読まれた方は、それではBさんの大手ハウスメーカーに設計から竣工までを依頼されたケースが一番最短で家の引き渡しになるのではと思われたかもしれませんが、結局蓋を開けてみると我々が一番先に工事を終えて(住める状態までの工事を終えて)、分譲地に引っ越すことになりました。Bさん曰く、これはハウスメーカーならではの特徴なのですが、ハウスメーカーが受け持つ工事がそのエリアで同時に平行して何件も発生するため、職人の方を集めるのに時間がかかり、着工するのが一番遅かったことが原因だとのことでした。たしかに着工してから竣工までの日数だとBさん宅が一番短かったように思います。

 

話がだいぶ脇に逸れてしまいましたが、我々は「houzz」というサイトで建築家の方を探し、実際に設計事務所を訪れてお話を伺い、いくつかの施工事例を見せて頂いた上で、予算や施工の流れなどを伺い、簡単な設計プランを提示して頂いた上で最終的にお願いすることを決めました。

www.houzz.fr

その方の設計事務所は当時住んでいたアパートメントから車で10分くらいの距離でした。契約後は打ち合わせで何度も設計事務所を訪れることになりますが、この距離感はとても助かったと今になって実感しています。もし読者の中で家を建てることを検討されている方がいらっしゃれば、設計事務所ハウスメーカーさんとは打ち合わせを何度もすることになるということを念頭に置いて、依頼先を決められると良いのではと思います。

 

以上、本日は建築家探しについてお話させて頂きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

3.土地探しの旅

こんにちは。

南仏在住のマダム野武士です。

 

前回は住宅ローンの審査についてお話しましたが、今回は土地探しについてお話していきたいと思います。住宅ローンの審査の雲行きが怪しい件につきましては、改めて別の機会にじっくりお話させてください...

 

さて、土地探しですが、結論から申し上げますと私達は5件目にして理想の土地を見つけるに至りました。前々回の記事、「1.土地探しの条件 - 南フランスで家を建てました」でも記載した通り、エリアとしては都心部から半径20km圏内と定め、その中でも公共交通機関が利用できる3つの村に絞って土地を探しました。

 

1.斜めに傾いた土地

始めに訪れた物件は、都心部から12kmと比較的近く、かつ主人の職場にも近い場所にある村でした。ただ私にとってネックだったのが、その村の近くまではバスが通っていたのですが、そのバスの終点から村の住宅エリアまでは4kmほどあり、自転車か車でバス停まで行く必要がありました。

また、土地の広さは申し分なかったのですが、土地が斜めに傾いており、盛り土で平らにするのはかなりお金がかかるような印象でした。周辺環境としてはとても静かな住宅地でした。

斜めの土地

 

2.地主さんの一角の土地

次に訪れた土地は都心部から18kmと、先ほどの土地よりは少し遠くはなりますが20km圏内には収まるので見に行くことになりました。こちらの村にはバスが通っており、内見した土地から徒歩5分のところにバス停がありました。ただ、こちらは都市バスではなく、県が管轄しているバスのため市民が無料で乗れるバスではありませんでした。(補足:2023年12月から都市とその郊外の村の住民は都市バスに無料で乗車できるようになりました。)

土地の広さは申し分なく、既に水道と電気の配線工事も済んでいたため、土地を購入してすぐに工事に取り掛かれるように整備されていたのは好条件でした。その一方で、隣に住む地主さんの土地の一角(もともとはプールがあったようです)のため、地主さんの家との物理的な距離が近く、境界線の柵のすぐ向こう側に人の気配を感じるような距離感でした。また、幹線道路に面した土地であったため、車の往来が激しく少し騒がしい印象でした。

 

地主さんの一角にある土地

この後も別の村に赴き、いくつかの土地を拝見しましたが、車の往来の騒音であったり、公共交通機関の便の悪さであったり、日当たりの問題であったりと、すべての条件を満たす土地には出会えないもんだなと、つくづく土地探しの難しさに私は半ば意気消沈していました。そんな中、諦めずに毎日ネットで情報を探していた夫が理想の条件に合いそうな土地を目にして、すぐに不動産屋にアポを入れて見に行ってくれました。そして帰宅するなり満面の笑みで理想の土地が見つかったとの報告を受け、その週末に私も一緒に土地を見に行かせてもらいました。

その土地を紹介する不動産屋さんが個人事業主の方だったので、土曜日にも土地の現地確認に付き合ってくださり、計3回(平日の朝・平日の夕方・週末の日中)足を運んで見学させて頂きました。都心部からは18km、どの時間帯もどの曜日も静かで、かつ都市バスのバス停からも近く、日当たりも申し分なかったので、ついに我々の理想の土地が見つかりました!

 

次回に続きます。

 

 

 

 

2.住宅ローン審査の手続き

こんにちは。

南仏在住のマダム野武士です。

 

前回は土地探しの条件についてお話しましたが、今回は住宅ローンについてお話したいと思います。

 

前回、あれやこれやと土地探しにおける理想の条件を並べさせて頂きましたが、そもそも仮に万一すべての条件に見合う土地が見つかったとしても、その土地を購入できるのか?つまり我々夫婦の年収の条件で住宅ローンを借りることができるのか?そのあたりについて日頃からお世話になっている銀行「Banque Postale」に話を聞きに行くことにしました。「Banque Postale」は日本でいうところの「ゆうちょ銀行」にあたる銀行で、フランスの郵便局「La Poste」グループとして銀行業務を取り扱う会社になります。

 

私達は二人ともBanque Postaleに銀行口座を持っていて、給与振込口座として使用していたので、まずは担当の方にアポを取って銀行に赴きました。この時に持参した資料としては、

1.身分証明書(パスポートと滞在許可証) 

2.数か月分の給与明細書 

3.労働契約書

4.昨年度の源泉徴収票

の4点だったと思います。もしかするとこの他に健康保険証(Carte Vitale)も提示したような記憶もあります。私の場合、ちょうどこの頃が滞在許可証の更新期間と被っていたのでレセピセ(récépissé)を持参しましたが、特に問題はありませんでした。

 

また昨年度の源泉徴収票については前年度は日本で暮らしていたため、日本で発行された源泉徴収票英訳したものを持参したように思います。

 

それから日本の銀行残高証明書が必要になるのかと思っていましたが、あくまでもフランス国内での収入が審査対象になるとのことで、こちらの書類は必要なかったです。

 

それらの書類を一式、担当者の方にお渡しして、早速その場で簡単な銀行ローンのシミュレーションをして頂きました。その時点(2022年2月頃)での住宅ローンの金利およそ1,3%でした。ちなみにフランスでは一般的に固定金利が主流で変動金利もあるそうですが、ほとんど話を聞きません。

 

特に大きな問題も見られないので、このまま書類を提出すれば95%以上の確率で審査に通るだろうと言われ、二人で安堵して帰路につきました。が、しかし、ここで安堵するのは早かったのです。さすが、フランス、一筋縄ではいきません。果たして住宅ローンの審査に通るのか、次回に続きます。

 

1.土地探しの条件

条件こんにちは。

南仏在住のマダム野武士です。

 

前々回は「なぜ」フランスで家を建てたいのかというお話でしたが、今回は「どんな」家を建てたいのかということについて土地探しの観点からお話していきたいと思います。

 

1.エリア(地域)

土地について条件を絞る上で最重要なポイントになるのが「どのエリア(地域)」に住むのかということだと思います。我々夫婦がそれぞれ勤務している主要都市では土地の価格が高騰し、予算的に全く手の届かない土地ばかりで、そもそも更地が売り出されることがほとんど無かったので主要都市から半径20km前後の村を念頭に探すことにしました。

そしてエリアを選択する上で大事な点が公共交通機関の有無でした。我が家は主人は車を運転しますが、私はペーパードライバーなので、公共交通機関を利用できる地域であることが私にとって妥協できないポイントでした。(将来的には私も車を運転する必要が出てくると思います...)

→現実は公共交通機関のバスが自宅から徒歩圏内にあるものの、街中のアパートに住んでいた時よりは遥かにバスの本数が減り、乗り遅れると次のバスを1時間以上待つ場合もあるので、移動の制約は増えました。ただ、こちらのバスは2023年12月より市民が無料で利用できるようになったのでその点は助かっています。

 

2.職場からの距離

次に職場からの距離となると主人は車通勤のため片道小1時間以内、私はバス通勤のため片道1時間強を限度として探すことにしました。一般的にフランスは車社会なので、朝夕の通勤時間はほぼ確実に渋滞が発生します。ですので、職場からの家までの距離を考える際にはこの渋滞も考慮にいれる必要がありました。

→現実は双方の希望通り、想定の時間内に収まっています。今後テレワークが増えるとこの点を加味することもなくなりそうです。

 

3.静かな環境と利便性

そして3点目としては、静かな場所でありながらスーパーや薬局など日常生活必需品は徒歩で買い出しにいけることを理想の1つに挙げました。街中を走る主要道路からは脇に逸れた道沿いの土地であること、そして周囲が騒がしい環境でないことを確認した上で、最寄りのスーパー・薬局・郵便局・銀行・パン屋などの立地を見ながら土地探しをしました。

→現実として、運よく条件に合う土地に巡り合うことができました。銀行は近くにないので街に出勤するときに利用するようにしています。またローカルなパン屋さんも引っ越す前に閉店してしまったのですが、徒歩圏内にチェーン店のパン屋さんがあるのでそちらを利用しています。

 

4.土地の広さ

老後や掃除のしやすさを考えて家は平屋にしようと判断しました。そうなると100㎡ほどの床面積が必要になると試算しました。また庭も欲しかったので、建蔽率なども加味した上で500㎡ほどの土地を探すことにしました。

→郊外だと500㎡ほどの土地はたくさん売り出されていました。ただほとんどが分譲地でした。我々も分譲地の一区画を購入しました。

 

5.日当たり

南仏の素晴らしいところはやはりなんといっても太陽が燦燦と輝き、1年中ほぼ天気が良い地中海気候であることということで太陽の恩恵を受けるべく、南が開けた日当たりの良い土地を探しました。こちらでは南向きにテラスプールを設置する住宅が多いです。

→日差しが十分に届く南に開けた土地に出会うことができました。

 

6.建売住宅か否か

前回のブログ内でも少しお話させて頂いたように日本建築の要素を取り入れた家にしたかったので(和室、浴槽とシャワーが分かれた風呂場など)、住宅メーカーを通さずに建築できる土地( libre d'architecte)を探す必要がありました。日本でも大手ハウスメーカー分譲住宅を購入するケースがあると思いますが、フランスでも大手ハウスメーカーMaison PhénixMaisonClair等)が分譲地に建売住宅を建てる分譲住宅が多く散見されます。ですので、自由にお家を設計したい場合は売り出されている土地がlibre d'architecteであるかを確認する必要があります。

→時間はかかりましたが、ハウスメーカーを通さずに建築できる土地を見つけることができました。

 

以上、本日は土地探しの条件についてお話させて頂きました。

次回は銀行の住宅ローンについてお話させて頂きます!